ディスク・レビュー


 

しばらく更新停止していたこのコーナーですが、「今月の1枚」という形で復活しました。気になるCDやDVDを紹介していきます。


2006年12月

artist

SUN PAULO

title

LIVE WISDOM

label

ON RECORDINGS (2006)

  フジロック06アヴァロン最終日で、熱狂のライブを繰り広げたサン・パウロ。あの興奮がよみがえるライブ盤佐藤タイジ森俊之沼澤尚のメンバー3人に加え、バイオリンの勝井祐二、パーカッションの大儀見元、さらにキーボードのエマーソン北村が参加し、超ハイレベルかつダンサブルな演奏を聴かせます。
 当初はライブ会場のみの販売でしたが、11月からタワレコとHMVで店頭販売されるようになりました。


2006年8月

artist

角松敏生

title

T's 12inches

label

RVC (1986)

 雑誌アドリブ8月号をレコ屋で立ち読みして、 ベーシスト・青木智仁氏が6月12日にお亡くなりになっていたことを今さら知りました。詳しくはこちらへ。http://lightmellow.livedoor.biz/archives/50584778.html
 スラップ・ベースを弾かせたら、日本最高の名手。 そして、角松敏生の右腕。
 まさか49歳で亡くなってしまうとは・・・。
 もう“Tokyo Tower”のあのベースラインを生で聴くことはできない。


2005年1月

artist

YUKI

title

JOY

label

Epic Records (2005)

 え〜、元ジュディマリのYUKIです。まさかここで紹介する日が来るとは思いませんでした(笑)。
 しかし、この曲はイイです。くるりの“World's End Super Nova”が好きなら、絶対気に入ります。というか、ほとんどくるりのパクリです(笑)。4つ打ちビートを基調にした切ない曲調も展開もそっくり。
 3バージョンのリミックスも収録されていますが、ダレン・エマーソン絡みのMUTINY、フランキー・ナックルズ絡みのEric Kupperなど、力が入ってます。クラブ対応のJ-POPとして、極上の仕上がりです。


2004年12月

artist

GEORGE CLINTON & PARLIAMENT FUNKADELIC

title

The State Theater Portland, ME 3/19/04

label

GEORGE CLINTON ENTERPRISES (2004)

 P-FUNKの最新ライブですが、なんとCD-R3枚組(笑)。形態としてはほとんど海賊盤ですが、ジョージ・クリントン本人事務所からのリリースなので、間違いなくオフィシャル盤なんでしょう。しかし、音質は海賊盤レベル(笑)。おそらく、PA卓から直接レコーディングしたのではないかと思うので、海賊盤なら最上レベル。しかし、オフィシャル盤としてはちょっと・・・。
 しかし、演奏は熱いです。2002年のフジロックで観た時はかなりガッカリしたのですが、このライブではドス黒いグルーヴが渦巻いて、P-FUNK軍団の健在ぶりをアピールしています。なんと、バーニー・ウォーレルも参加しているようです。
 金にはセコいらしいジョージ・クリントンのことですから、今後は大手レコード会社は通さずに、CD売り上げを全部自分の懐に入れるつもりなのかなぁ?
 タワーレコード池袋店で入手。


2004年11月

artist

PRINCE

title

FILMS COMPLETE BOX

label

Warner Bros. Entertainment (2004)

 殿下主演の映画“Purple Rain”“Under The Cherry Moon”“Graffiti Bridge”の3作をDVD化したボックスセット。
 “Purple Rain”はともかくとして、あとの2つは駄作として名高い(笑)ので、DVD化されてもそれほど感動もないのですが、注目は4枚目の“Purple Rain”関係のボーナス・ディスク。オフィシャルDVDの“THE HITS COLLECTION”には収録されなかった“Let' Go Crazy”“When Doves Cry”“Purple Rain”の映画絡みのビデオ・クリップをついに観ることができるのが、まずは嬉しい。“THE HITS COLLECTION”のエンドロールで音だけ使われた“Baby I'm A Star”のライブ映像もたっぷりと収録です。
 そして、映画の監督や関係者による裏話も非常に面白い。すっかりオバさんになった(笑)ウエンディ&リサボビーZDr.フィンクというザ・レボリューションのメンバーのインタビューもあります。Dr.フィンクがトレードマークの聴診器を付けてインタビューされているのには大笑いしました(笑)。
 “Under The Cherry Moon”の特典映像では“Anotherloverholenyohed”のライブ映像に注目です。Parade Tourの公式映像は初登場でしょう。
 ともかく、全盛期のプリンスがたっぷりと楽しめるボックスです。初回限定生産らしいので、殿下マニアは必携です。


2004年10月

artist

DONNY HATHAWAY

title

THESE SONGS FOR YOU, LIVE!

label

Atlantic / Rhino (2004)

 未発表音源と本人のラジオ用インタビューを含むライブ・コンピレーション。
 ダニーのアルバムと言えば代表的なのは“LIVE”。あの名盤からは“You've Got A Friend”と“What's Goin' On”を収録し、そのレコーディング時の未発表曲も2曲収録。ビートルズの“Yesterday”も唄っています。
 同時代のマーヴィン・ゲイあたりに比べると、一般的な知名度は劣りますが、やはりこの人の才能は素晴らしい。ピアノの演奏で唄われる“Someday We'll All Be Free”には心を打たれます。


2004年9月

artist

DNA

title

DNA ON DNA

label

No More Records (2004)

 ついに出たぁ!!!
 アート・リンゼイの存在を知ってから15年。再発を待ち望んでいたDNAの音源が1枚に編集されてCD化です。
 ジャケ画像に使われている78年のシングル“You & You”から始まり、既にCD化されている名作コンピ“No New York”収録曲、そしてアメリカン・クラーヴェから81年にリリースされた“A Taste of DNA”まで完全網羅。さらにライブ音源や出所不明のスタジオ音源まで収録。この編集盤とディスクユニオンから発売されている82年の解散ライブCDでDNAの全貌を把握することで出来るようになりました。
 突然の再発が実現した背景は不明ですが、カエターノ・ヴェローゾが最新作“a foreign sound”の中でDNAの“Detached”をカバーした影響があるのかもしれません。
 この手のNo Waveな音楽にやたらと強いタワーレコード渋谷店のアヴァンギャルド・コーナーで入手。


2004年8月

artist

早川義夫

title

言う者は知らず、知る者は言わず

label

CONSIPIO RECORDS (2002)

 今年のフジロックで素晴らしい演奏を聴かせてくれた早川義夫のライブ盤2枚組。感動のあまり、フジ最終日に会場で買って帰りました。
 1枚目の前半がサックスのドクトル梅津とのデュオ、後半がバイオリンのHONZIとのデュオ、2枚目はバンドとのライブですが、早川義夫の圧倒的な存在感の前では、バンドがいるかどうかなんて関係なし。
 「音楽が目指しているのは音楽ではない
 「美しいものは人を黙らせる
 「足りないのではなくて、何かが多すぎるのだ
 なぜ、僕らは音楽を愛するのか、音楽を作るのか。さらに言えば、なぜ生きるのか。真剣に考えさせられます。


2004年7月

artist

love tambourines

title

love parade

label

CRUE-L RECORDS (2004)

 あの渋谷系のブームから10年後、突然リリースされた編集盤。
 初期のシングルとコンピ盤に収録されていた曲をまとめたもので、未発表曲とかはありませんが、初回盤には「Cherish Our Love」と「Midnight Parade」のビデオ・クリップ収録のDVDがついています。
 渋谷系の御三家と言えば、フリッパーズ・ギターオリジナル・ラブピチカート・ファイブですが、ラブ・タンバリンズの存在こそ、あの時代の空気を象徴していたように思います。大げさに言えば、バンドや音楽を演る理由が「女の子にモテたい」とかの「自己顕示欲」から「音楽への愛」に変わったのが、この時代ではないでしょうか。
 ラブ・タンバリンズには「音楽への愛」だけでなく「男女間の愛」もベースにあったわけで、その名前のとおり「」が生んだバンドでした。しかし、ボーカルのエリとギターの斉藤氏が離婚して、結局バンドも解散となってしまい、渋谷系ブームも終わっていくわけです。
 彼等が乗り越えられなかった限界を思う時、複雑な思いがこみ上げてきます。


2004年6月

artist

勝井祐二

title

violin solo

label

まぼろしの世界 (2003)

 渋さ知らズオーケストラROVOで活躍するバイオリニストのソロ作品。フジロックでは常連さんですが、グリーン、ホワイト、レッド、ヘブン、オレンジの全ステージで演奏したことのあるミュージシャンは、多分この人だけではないだろうか?
 「バイオリンの独奏」と思ってこのアルバムを聴くと、唖然とすること間違いなし。エレクトリック・バイオリンエフェクトをかけまくり、完全一発録りでレコーディングされたというサウンドは、まさに「表現の極北」という言葉がふさわしい。


2004年5月

artist

佐野元春

title

VISITORS 20th Anniversary Edition

label

Epic Records (2004)

 このアルバムが発売された1984年当時、その斬新な内容に世間では賛否両論が巻き起こったとのことですが、中学生だった私にとっては初めて聴く佐野元春であり、当時は何の疑問も感じることなく(笑)普通に聴いていたのでした。
 しかし、久々に聴き直してみて愕然。ヒップホップの浸透で音楽シーンに大きな変革が起こりつつあったあの頃の空気を、見事に切り取っています。確かにサウンド面では古さを感じる部分もありますが、映画「WILD STYLE」と同じように語り継がれるべき名作でしょう。
 リマスタリングで磨きをかけられた音質も素晴らしい。ライブ&クリップ集のDVDとのセットで限定盤なので、品切れになる前に買うべし。


2004年4月 

artist

PRINCE

title

Miles From The Park

label

Global Funkschool (2004)

 プリンスとマイルス・デイビスの共演ライブ(!)を収録したブートレッグDVD。1987年12月31日にミネアポリスのペイズリーパーク・スタジオで収録されたものです。

 マイルス本人がステージに登場するのは、最後の“It's gonna be a beautiful night”を中心としたメドレーの中での3分間程度でしかありませんが、あのマイルスがプリンスと一緒に演奏しているという歴史的な瞬間を観ることができるのですから、買わずにはいられません。

 ライブ全体は“Sign of the times”ツアーをベースにしているので、プリンスの頂点といえる時期のものです。また、ホームタウンでのリラックスしたライブのため、JBウィルソン・ピケットのフレーズを織り交ぜたり、“Purple Rain”のイントロ替わりに「蛍の光」をギターで弾いたりと、非常に濃い内容です。プリンス・ファンには間違いなくお勧めできます。

 映像も音もプロが収録したものなので、ブートレッグとしては最上級のクオリティだと思いますが、唯一にして最大の欠点は、映像が日本のNTSC方式ではなく、ヨーロッパのPAL方式だということです。
 要するに一般のDVDプレーヤーでは再生できません! PAL方式に対応したプレーヤーが必要ですが、ご心配なく。DVDドライブ搭載のパソコンなら問題なく再生可能です。私はiBookを使って観ました。ジャケット裏面には「NTSC VIDEO」と書いてありますが、これは嘘です(笑)。

 ちなみに、私はComfort Musicというブート専門店からネット通販で入手しました。

(追記・2004年8月)

 やはりというべきか、NTSC方式のDVDも存在しました。これなら、一般的なDVDプレーヤーで問題なく再生できます。
 ヤフオクで入手したDVD-R盤で、ジャケットにレーベル名とかは書いてないので、海賊盤の専門店等でも流通しているものなのか分かりません。ともかく、このDVDを買う時は、NTSCPALかの確認が必要です。ご注意ください。
 内容は最高なので、プリンス・ファンは少々のリスクは覚悟してでも入手すべし。


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